GSAS-IIを用いたRietveld解析

 

GSAS-II < https://subversion.xray.aps.anl.gov/trac/pyGSAS >は、結晶構造決定プログラムの一つです。以下、粉末X線回折のRietveld解析について、簡単な解説を記載しています。磁気構造決定、小角散乱、逆モンテカルロ法(RMC)プログラムとの連携など、他の用途については、公式サイトのチュートリアル < https://subversion.xray.aps.anl.gov/pyGSAS/trunk/help/Tutorials.html >を参照してください。

 

参考

GSAS-IIの使用方法 (岡山大学 神崎先生)

https://mkanzaki.sakura.ne.jp/pukiwiki/?GSAS-II%E3%81%AE%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%96%B9%E6%B3%95

 

GSAS-II 日本語チュートリアル (近畿大学 朝倉先生)

https://www.apch.kindai.ac.jp/laboratory/asakura/personal/ja/others/gsas2/index.html

途中、proxy8000にする、との記述がありますが、設定しない方がトラブルは少ないです。

 

内容

インストール... 1

事前準備... 2

共通設定... 2

GSAS-IIの実行... 2

粉末回折データの読み込み... 2

測定装置のパラメータの設定... 3

角度範囲および除外領域の指定... 4

 

 

 

インストール

GSAS-IIのページ

https://subversion.xray.aps.anl.gov/trac/pyGSAS

Installation instructionsからWindowsを選んでクリックします。

(Macなどについても同様だと思いますが、試していません。)

 

Download this .exe file (~0.4 Gb):

https://subversion.xray.aps.anl.gov/admin_pyGSAS/downloads/gsas2full-Latest-Windows-x86_64.exe

をダウンロードして、実行。

Enter your proxy address [none needed]: は通常はenterOKです。(御所属のネットワーク設定に従ってください。)

 

事前準備

解析用フォルダを作って、その中に

       XRDデータ (2θと強度のcsvxyなど、複数の形式のデータを読み込めます)

       cifファイル、または、空間群と格子定数などの情報

       GSAS形式の実験装置のパラメータファイル(あれば)なければ、最低限、測定波長の情報(Å)

 

共通設定

GSAS-IIの実行

デスクトップ上にできた GSAS-II のアイコンをダブルクリックして実行する.

 

粉末回折データの読み込み

Import -> Powder Data

色々な形式で読めるので、適当なものを選ぶ。

(guess format from fileで大抵は読めるはず。csvとか.xyとかも。困ったら、2θと強度だけのタブかスペース区切りのテキストを用意して読み込ませる)

 

測定装置のパラメータの設定

測定装置のパラメータファイル(GSAS形式)があれば、指定する。無ければ、キャンセルをクリック。

(標準試料の測定データから、パラメータファイルを作る方法

< https://subversion.xray.aps.anl.gov/pyGSAS/Tutorials/CWInstDemo/FindProfParamCW.htm >)

 

 

パラメータファイルが無く、キャンセルをクリックすると、右の画面が出るので、近いものを選ぶ。 (CuKa0.7A synchrotrongeneric TOFとか。波長は後で変更できる)

 

Instrumental Parametersをクリックして、設定を確認し、必要なら波長や線源を変更する。

角度範囲および除外領域の指定

 

Limitsで解析に使用する角度範囲を指定する(あらかじめ、データから取り除くでも可)

高角でピークが弱くて見えない範囲などは除外しておく

 

Edit limits > Add excludeで特定の角度範囲を除外することも可能

 

d範囲の確認

グラフ上でtキーを押せば、横軸がtになる(はずなのだが、モードによってはならない。tを押しても何も起きない時は、cを二回押してから、tを押す、で出来ることもある。条件を調査中)

dの最小値を確認しておく。2θからdを計算しても良い。(後でPawley法を行う時に使用する。行わないなら不要)

 

結晶構造の読み込み

Import -> Phase で結晶構造を読み込む。通常はcifファイルから。